パニック障害|様々な治し方について

 

パニック障害|様々な治し方について

パニック障害の発作がいつ出るかと不安を抱えて、外出を控えたり人との接触を避けるような方にとって、治し方さえわかればと思うこともあるでしょう。

特に、何とか自力でパニック障害を克服したいと願う方にとって、有効な治し方が見つからずに余計に落ち込んでしまうケースも多いようです。

ある患者さんの場合、気は持ちようで自力で克服できると我慢をくり返し悪化させてしまったことがあります。

また、短期間での治し方を切望される患者さんもいらっしゃいますが、精神的な疾患となるパニック障害には、時間をかけて取り組む必要があり、信頼できる専門医との関わりが必須かもしれません。

そして、いったいいつ治るのかと性急に過ぎることがパニック障害の治し方には反してしまうものです。

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一般的にパニック障害の症状として、電車やバスの中で急に緊張感が高まり、めまいや吐き気が起こり気分が悪くなり、このまま死んでしまうかもしれないと思うこともあるようです。

呼吸困難になり、心拍数の上昇といった症状が起これば、死を感じてしまうのも無理はありません。

さらに、大勢の人の前で一度パニック障害の発作が起こると、人前に出ると発作が起こるのではないかと消極的になってしまうでしょうし、車の運転やエレベーターで発作が起こると車もエレベーターも敬遠したくなり、生活に支障をきたしてしまうことでしょう。

そこで、同じような場面で再び発作が起こった時の応急的な治し方はもちろんのこと、パニック障害の改善のための治し方の第一歩は、心療内科などを受診して専門医による治療を受けていただくことだと思います。

パニック障害の治し方としては、薬物による治療が欠かせないわけですが、薬物治療と合わせて行動治療といった治し方を用いる場合もありますので、まずは、専門医の診断を受け、適切な治療計画に沿って焦らず治療を受けていただければと思います。

川西市のこばやしクリニックでは、睡眠障害やうつ病、そしてパニック障害にも対応させていただいておりますので、患者さん一人一人に適した治し方で改善に向けて取り組ませていただきます。

パニック障害の原因
パニック障害の原因は明確にはわかっていませんが、複数の要因が関与していると考えられています。主な要因としては以下のようなものがあります

遺伝的要因
家族にパニック障害や他の不安障害を持つ人がいる場合、リスクが高くなることが示されています。

脳の化学物質のバランス
セロトニンやノルエピネフリンなどの脳内の神経伝達物質のバランスの乱れが関与している可能性があります。

脳の構造と機能
特定の脳の領域、例えば偏桃体や前頭葉の異常がパニック障害と関連していると考えられています。

心理的要因
強いストレスやトラウマ、特定のライフイベント(例えば、愛する人の死や離婚など)が引き金となることがあります。

環境的要因
家庭環境や職場環境、人間関係など、日常生活の中でのストレス要因がパニック発作を引き起こすことがあります。

身体的要因
特定の身体的疾患(例えば、甲状腺機能亢進症や心臓の問題)や薬物の副作用がパニック発作を引き起こすこともあります。

これらの要因が単独で影響することもあれば、複数が組み合わさって影響することもあります。パニック障害の治療には、薬物療法、心理療法(例えば、認知行動療法)などが効果的とされています。

 

パニック障害の治し方

パニック障害の治療にはいくつかのアプローチがあり、個々の患者に最適な治療法を見つけるためには医師と相談することが重要です。以下は一般的な治療方法です

 

1. 薬物療法
・抗うつ薬
セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)がよく使用されます。これらはパニック発作の頻度と強度を減少させる効果があります。
・ベンゾジアゼピン系薬物
即効性があり、発作の際に迅速に症状を和らげるために使用されることがありますが、依存性があるため、短期間の使用が推奨されます。

2. 心理療法
・認知行動療法(CBT)
パニック障害の治療において最も効果的とされる療法です。CBTは、ネガティブな思考パターンや行動を変えることを目指し、発作の引き金となる状況に対する反応を改善します。

・エクスポージャー療法
恐怖や不安を引き起こす状況に徐々に曝露することで、その状況に対する恐怖感を軽減させる療法です。

3. ライフスタイルの変更
・ストレス管理
ストレスを減らすためのテクニック(ヨガ、瞑想、深呼吸法など)を取り入れることが有効です。

・規則正しい生活習慣
十分な睡眠、バランスの取れた食事、定期的な運動は全体的なメンタルヘルスを向上させる効果があります。

・カフェインやアルコールの摂取制限
これらはパニック発作を誘発する可能性があるため、摂取を控えることが推奨されます。

4. サポートグループ
同じような経験を持つ人々と話すことで、孤独感が軽減され、共感と支援を得ることができます。

5. 教育と自己管理
パニック障害について学び、発作のメカニズムや対処法を理解することは、自分の状態をコントロールするために重要です。
治療の効果は個々の患者によって異なるため、複数のアプローチを組み合わせて試みることが多いです。医師や専門家と協力して、最適な治療計画を立てることが大切です。

 

パニック障害の方が心掛けるべきことは?

パニック障害の方が日常生活で心掛けるべきことには、症状の管理と生活の質を向上させるためのさまざまなアプローチがあります。以下は、パニック障害の方が実践することで役立つとされる方法です

1. 自己ケアとストレス管理
・規則正しい生活習慣
十分な睡眠、バランスの取れた食事、定期的な運動を心掛けましょう。
・ストレス管理
ヨガ、瞑想、深呼吸法などのリラクゼーションテクニックを取り入れ、ストレスを軽減する方法を見つけましょう。

2. トリガーの認識と回避
・カフェインとアルコールの制限
これらの物質はパニック発作を引き起こす可能性があるため、摂取を控えることが推奨されます。
・発作のトリガーを特定
自分にとって何が発作の引き金となるかを把握し、それを避ける方法を学びましょう。

3. サポートの活用
・専門家の支援
精神科医や心理カウンセラーと定期的に会い、治療計画に従いましょう。
・サポートグループ
同じ経験を持つ人々と交流し、共感やアドバイスを得ることで、孤独感を軽減しましょう。

4. 教育と自己理解
・パニック障害について学ぶ
発作のメカニズムや対処法を理解することで、不安感を軽減できます。
・発作の対処法を習得
深呼吸法やリラクゼーションテクニックを練習し、発作時に冷静に対処する方法を身につけましょう。

5. 思考と行動の変容
・ネガティブな思考を修正
認知行動療法(CBT)のテクニックを使って、ネガティブな思考パターンをポジティブに変える練習をしましょう。
・段階的なエクスポージャー
恐怖や不安を引き起こす状況に徐々に曝露し、その状況に対する耐性を高めましょう。

6. 生活のバランス
・適度な活動と休息
過度な負荷をかけずに、自分のペースで活動と休息をバランスよく取り入れることが大切です。
・趣味や楽しみを見つける
自分が楽しめる活動を見つけ、それを通じてリラクゼーションと喜びを得ましょう。

7. 目標設定
・現実的な目標を設定
小さなステップで目標を設定し、達成感を得ることで自信を高めましょう。

8. 薬物療法の遵守
・処方薬の適切な使用
医師の指示に従い、処方された薬を適切に服用しましょう。薬の効果や副作用についても定期的に確認し、必要に応じて調整を行います。
パニック障害は治療可能な病気であり、適切な管理とサポートを受けることで生活の質を大いに向上させることができます。自分自身のペースで進めながら、専門家の助けを借りて効果的な対処法を見つけていきましょう。


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