精神病の悩み|アスペルガー症候群かも - 川西市の心療内科 こばやしクリニック

 

精神病の悩み|アスペルガー症候群かも

アスペルガー症候群という障害についてご存じの方も増えているのではないでしょうか。

この障害が精神病の一つにあたるのかどうかは、判断の難しいところかもしれません。

なぜなら、精神病の専門医が診察すれば、その症状からアスペルガーだと診断するケースだったとしても、周囲から見れば単に変わった人とか、迷惑な人、空気の読めない人といった見方をされてしまい、その行動や発言が先天的な脳の障害によっておこるアスペルガーだとすぐに理解してもらうのは難しいと思えるからです。

精神病には発症する原因がいくつかありますが、うつ病や総合失調症のように脳の機能がだんだんうまく働かなくなったために起こるものや、事故や犯罪に巻き込まれるなどして精神的なショックを受けたために起こる適応障害も精神病と言えます。

そして、頭部外傷などで脳にダメージを受けて発症したり、生まれつきの脳の障害のために起こるアスペルガーや自閉症といった疾患もあり、いわゆる精神病とも言えるわけです。

ただ、かつては精神病と言えば知能が低く周囲が困惑するような行動や発言が顕著なことで精神病院に入院するなどの措置が取られることが多かったわけですが、アスペルガーの場合は、知的な障害はないと言われています。

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知的障害がなく会話障害もないとなれば、精神病として括るのも適切ではないように思われますし、実際アスペルガーと診断された患者さんが問題なく社会生活を維持されているケースは少なくありません。

もちろん、アスペルガーの患者さんが問題なく社会生活を維持するためには周囲の理解と協力が必要であり、その特徴を知ってもらう必要があります。

たとえば、相手が傷つくかもしれないような発言をしたり、社会的なルールが守れないこともあるでしょう。

興味のあることに熱中し過ぎて周囲との軋轢を生むこともあるかもしれません。

そういったアスペルガーの患者さんの生きづらさのサポート・支援のためにも、もし、アスペルガーでお悩みであれば心療内科や精神科などの受診をご検討ください。

 

アスペルガー症候群自己診断シート

アスペルガー症候群(現在は自閉スペクトラム症/ASDの一部と分類されることが多い)は、主に社会的な相互作用やコミュニケーション、興味や行動のパターンに特徴があります。自己診断シートを通じて、自分がアスペルガー症候群に関連する特徴を持っているかどうかを確認することができますが、正式な診断は専門医によって行われるべきです。

以下は、アスペルガー症候群の特徴を自己評価するためのシートです。各質問に対して、最も当てはまる選択肢を選んでください。

1. 社会的な相互作用に関する質問
他人との関わりが難しいと感じることがあるか?
□ いいえ、全くない
□ 時々感じる
□ しばしば感じる
□ ほとんどいつも感じる

他人の表情や感情を理解するのが難しいと感じるか?
□ いいえ、全くない
□ 時々感じる
□ しばしば感じる
□ ほとんどいつも感じる

人と話すときに適切な距離感を保つのが難しいと感じることがあるか?
□ いいえ、全くない
□ 時々感じる
□ しばしば感じる
□ ほとんどいつも感じる

グループでの会話に参加するのが難しいと感じることがあるか?
□ いいえ、全くない
□ 時々感じる
□ しばしば感じる
□ ほとんどいつも感じる

2. コミュニケーションに関する質問
他人との会話の中で、話の順番を待つのが難しいと感じることがあるか?
□ いいえ、全くない
□ 時々感じる
□ しばしば感じる
□ ほとんどいつも感じる

他人が何を言おうとしているのか、意図を読み取るのが難しいと感じることがあるか?
□ いいえ、全くない
□ 時々感じる
□ しばしば感じる
□ ほとんどいつも感じる

言葉の裏にある意味や冗談を理解するのが難しいと感じることがあるか?
□ いいえ、全くない
□ 時々感じる
□ しばしば感じる
□ ほとんどいつも感じる

3. 興味や行動に関する質問
特定の興味やテーマに非常に強く興味を持ち、長時間それに没頭することがあるか?
□ いいえ、全くない
□ 時々そうなる
□ しばしばそうなる
□ ほとんどいつもそうなる

ルーチンや決まったスケジュールが変更されると強いストレスを感じることがあるか?
□ いいえ、全くない
□ 時々感じる
□ しばしば感じる
□ ほとんどいつも感じる

繰り返し同じ行動をしたり、特定の動作を繰り返す傾向があるか?
□ いいえ、全くない
□ 時々そうなる
□ しばしばそうなる
□ ほとんどいつもそうなる

4. 感覚の過敏さに関する質問
音や光、匂いに対して非常に敏感で、不快感を感じることがあるか?
□ いいえ、全くない
□ 時々感じる
□ しばしば感じる
□ ほとんどいつも感じる

特定の感触や食べ物の質感が嫌で、避けることがあるか?
□ いいえ、全くない
□ 時々そう感じる
□ しばしばそう感じる
□ ほとんどいつもそう感じる

5. その他の特徴
細かいことに対してこだわりが強く、規則やルールに固執することがあるか?
□ いいえ、全くない
□ 時々そうなる
□ しばしばそうなる
□ ほとんどいつもそうなる

社会的な場面での不適切な行動に気づかず、後で指摘されることがあるか?
□ いいえ、全くない
□ 時々ある
□ しばしばある
□ ほとんどいつもある

結果の評価
このシートは自己評価のためのもので、正式な診断ではありません。以下のガイドラインを参考にしてください。

ほとんどの項目で「しばしば」「ほとんどいつも」にチェックが入る場合は、アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)の特徴を持っている可能性があります。日常生活に支障をきたしている場合は、専門家に相談することをお勧めします。
いくつかの項目で「時々」「しばしば」にチェックが入る場合は、特定の社会的なスキルやコミュニケーションに困難を感じているかもしれません。カウンセリングや支援を検討してみると良いでしょう。

注意事項
この自己診断シートはあくまで参考のためのものであり、正確な診断は医師や専門の心理士に相談することが不可欠です。専門家による正式な診断と支援を受けることで、適切な対処法や支援策が見つかるでしょう。

 

アスペルガー症候群は改善するのか?

アスペルガー症候群(現在は自閉スペクトラム症/ASDの一部として分類されます)は、生まれつきの神経発達に関する特性であり、根本的に「治す」ものではありません。しかし、適切なサポートや学習を通じて、生活の質を向上させ、社会生活や日常生活での困難を軽減することは十分に可能です。

アスペルガー症候群を持つ人々は、独自の強みや才能を持つ一方で、社会的なコミュニケーションや特定の状況における柔軟性が難しいことがあります。改善というよりも、以下の方法で自分の特性を理解し、スキルを発展させることが目標となります。

1. 社会的スキル訓練
アスペルガー症候群の特徴の一つである、他人とのコミュニケーションや社会的な相互作用の難しさは、専門の訓練やサポートを通じて向上させることができます。社会的スキル訓練(Social Skills Training)は、特に以下のような点に役立ちます。

・非言語的なコミュニケーション(表情やトーン、身振りなど)を理解する
・会話の順番や適切な距離感を学ぶ
・グループ内での会話や他者との関係性を築くスキル

2. 認知行動療法(CBT)
認知行動療法は、感情の調整や行動の柔軟性を高めるために効果的です。特に、強い不安感やストレス、感情の変動を管理するために有効です。専門の心理士のサポートを受けながら、ネガティブな思考パターンを見直し、よりポジティブな行動に結びつけることができます。

3. 環境調整
アスペルガー症候群を持つ人は、ルーチンや安定した環境が好ましいことが多いです。ストレスや不安を軽減するためには、以下のような環境調整が有効です。

・スケジュールや日常のルーチンを守る
・感覚過敏(音や光など)のある場合は、それに配慮した環境を整える
・予測可能な環境で働くか、学ぶように工夫する

4. 特別な興味を活かす
アスペルガー症候群を持つ人々は、しばしば特定の分野に強い興味や才能を持っています。この特性を活かして、専門分野でのキャリアを築いたり、特定のスキルを発展させたりすることが可能です。強い集中力や細部にこだわる能力は、技術職や研究職など、特定の職業において大きな強みになります。

5. サポートネットワークの活用
家族、友人、専門家、そして同じ経験を持つ人々からのサポートは、自己理解を深め、困難な状況を乗り越える助けになります。サポートグループや、アスペルガー症候群や自閉スペクトラム症を持つ人々のためのリソースを活用することも重要です。

6. 自己理解と受容
自分の特性を理解し、受け入れることが非常に大切です。アスペルガー症候群は個々人の特性の一部であり、これを「改善」するというよりも、適切に管理し、自己の強みを活かしながら生きることが目標です。自己理解を深めることで、ストレスの少ない生活を送ることができます。

結論
アスペルガー症候群自体は治るものではありませんが、適切なサポート、スキルの習得、環境の調整を通じて、日常生活や社会生活での困難を軽減し、より豊かな生活を送ることが可能です。社会的なスキルや感情の調整を学び、強みを活かして自己実現を図ることが重要です。専門家のサポートやリソースを活用しながら、自分に合った方法を見つけていくことが大切です。


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