躁鬱の診断基準とは - 川西市の心療内科 こばやしクリニック

 

躁鬱の診断基準とは

躁鬱に関するネット上の診断基準にご自身の現在の状態を照らし合わせて、ホッとしたり逆に不安になられている方もいるかもしれません。

ストレスやプレッシャーで気持ちが落ち込んだり、気分がハイ状態でコントロールできないとなれば、まさかとは思っても躁鬱を疑ってしまうこともあるでしょう。

そんな時にネットでの躁鬱診断基準だけを頼りにしてしまうと、より躁鬱状態が悪化してしまうこともあるでしょうし、間違った判断をしてしまうこともないとは言えません。

たとえば、食欲もなく眠れずに身体がだるいとかめまいがするなどの状態が続くと、うつ病ではないかと疑ってみたくなるものです。

そして診断基準のすべてに当てはまることで、自分はうつ病だと思いこむことがあります。

ところが、うつ病ではなく双極性障害、つまり躁鬱の可能性もあるわけですが、鬱に比べて躁への危機感は後回しになってしまうことがあります。

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躁鬱は気持ちが高揚した状態と消沈した状態が繰り返し、双極性障害として治療が必要な精神疾患ですが、思っている以上に患者さんの数は多いのではないでしょうか。

鬱は気がかりで周囲の心配の声も大きいものですが、躁は本人が元気で活発で饒舌であれば、周囲も心配どころか安心してしまう傾向にあります。

ただ、たとえ元気で活発であっても行き過ぎた行為、たとえば大金を散財したり、自信過剰で激しい口調になるなどの弊害が発生することもあります。

鬱を疑った時、さらには躁鬱を疑った時は、心療内科や精神科の診断基準に基づく判断をしてもらうことが大切です。

外科や内科に該当する多くの疾患については、さまざまな検査をもとに病名の診断基準や治療方針の診断基準などがあり、手術の適用や入院期間などが決まるわけです。

一方、躁鬱や睡眠障害やパニック障害など、精神的な疾患はレントゲン検査やCT検査のように画像での診断基準によって判断できるものではありませんが、専門の医療施設で実施している診断基準があり治療方針が決まりますので、お悩みであれば川西市のこばやしクリニックにご相談ください。

 

躁鬱自己診断シート

躁鬱(双極性障害)を自己診断するためのシートは、感情や行動の極端な変化に焦点を当てる必要があります。躁状態と鬱状態の両方を把握し、自分の感情や行動のパターンを振り返るためのツールとして役立ちます。このシートは、あくまで自己診断の参考であり、最終的な診断は医師や専門家に相談することが重要です。

このシートは、過去2週間から1ヶ月の間に、あなたが経験した感情や行動の変化を自己評価するためのものです。各項目について、最も近い答えを選んでください。

1. 躁状態に関する質問
1. 活力やエネルギーの増加
□ いつもと変わらない
□ 時々エネルギーが増加した
□ 極端にエネルギッシュで止まらなかった

2. 睡眠の減少
□ 普段通りの睡眠をとっていた
□ 少し睡眠が減った
□ ほとんど眠らなくても平気だった

3. 考えが止まらない感じ
□ いつも通りだった
□ 時々頭の中が忙しく感じた
□ 思考が次々に湧いて止まらなかった

4. 異常な楽観主義や自信過剰
□ 普通だった
□ 時々自信が過剰になった
□ 自信過剰でリスクを無視するようになった

5. 異常な活動への没頭
□ 普通だった
□ 時々新しいことに熱中した
□ 極端な行動(無謀な投資、大きな計画を立てるなど)に出た

 

2. 鬱状態に関する質問
1. 気分の落ち込みや無力感
□ 特に変わらなかった
□ 時々気分が落ち込んだ
□ ほとんどの時間、気分が沈んでいた

2. 興味や喜びの喪失
□ 興味や楽しみを普通に感じた
□ 時々興味がなくなった
□ ほとんどのことに興味を失った

3. 疲労感やエネルギーの低下
□ 特に疲れを感じなかった
□ 時々疲れやすかった
□ 何をしても疲れ果てた感じが続いた

4. 集中力の低下
□ 集中できていた
□ 時々集中が難しかった
□ ほとんどの時間集中できなかった

5. 自殺念慮や自己否定
□ 自殺を考えたことはなかった
□ 時々自己否定的な感情が湧いた
□ 自殺を考えるほどの自己否定感が強かった

結果の評価
躁状態に関連するスコア
0~5点: 躁状態は見られないか、ごく軽度です。
6~10点: 時折躁状態が現れる可能性があります。気をつけて観察しましょう。
11点以上: 明確な躁状態が見られる可能性があり、専門家に相談することをお勧めします。

鬱状態に関連するスコア
0~5点: 鬱状態は見られないか、ごく軽度です。
6~10点: 鬱状態が時折現れることがあります。必要に応じてサポートを検討してください。
11点以上: 鬱状態が強く、専門家によるサポートが必要です。

注意事項
この自己診断シートはあくまで目安であり、正確な診断は専門医に相談することが重要です。もしも極端な感情の波や、自殺念慮、深刻な不安が続く場合は、早急にメンタルヘルスの専門家に相談してください。

 

躁鬱症状を自分で改善する方法は?

躁鬱(双極性障害)を自身で改善するためには、適切なセルフケアや日常生活の改善を行うことが重要ですが、双極性障害は一人で完全に治療するのが難しいため、医師や専門家による治療を併用することが基本です。それでも、日常生活でできることがたくさんあります。以下は、躁鬱の症状を自分で管理し、改善に向けて取り組むための方法です。

1. 医師や専門家のサポートを受ける
薬物療法: 双極性障害の治療に使用される気分安定薬(リチウムや抗うつ薬など)は、症状の改善に効果的です。必ず医師の指導のもと、定期的に服用し、自己判断で薬をやめないようにしましょう。
心理療法: 認知行動療法(CBT)や対人関係療法などの心理療法は、感情のコントロールや人間関係の改善に役立ちます。

2. 日常生活のリズムを整える
規則正しい生活: 規則的な睡眠、食事、運動など、生活のリズムを安定させることは、躁や鬱のエピソードを防ぐために非常に重要です。特に、睡眠のリズムが崩れることは躁状態を引き起こす可能性があるため、決まった時間に寝起きする習慣を持ちましょう。
睡眠の質を向上させる: 十分な睡眠をとることは、気分の安定に役立ちます。睡眠の質を高めるために、寝る前にリラックスできるルーティンを作ることも効果的です。

3. ストレス管理とリラクゼーション
ストレスを避ける: 双極性障害の人は、ストレスが躁や鬱のエピソードを引き起こすことがあります。ストレスを感じやすい状況を避けるようにし、リラックスできる環境を整えることが大切です。
リラクゼーションの技法: 瞑想、深呼吸、ヨガなどのリラクゼーション技法を取り入れることで、気分を落ち着かせ、心のバランスを保つことができます。

4. 適度な運動を取り入れる
運動の効果: 適度な運動は、脳内のエンドルフィンを増加させ、気分を安定させる効果があります。特に、ウォーキング、ジョギング、ヨガ、水泳などは、心身の健康に良い影響を与えます。
定期的な運動: 毎日少しずつでも体を動かす習慣をつけることで、エネルギーのバランスを取ることができます。

5. 飲酒や薬物の管理
アルコールや薬物の制限: アルコールや違法薬物の使用は、双極性障害の症状を悪化させる可能性があります。これらを避けるか、制限することが推奨されます。特にアルコールは感情の起伏を大きくするため、注意が必要です。

6. 人間関係の見直し
信頼できる人と関わる: 躁鬱の症状が出たときに、信頼できる友人や家族に相談することは非常に助けになります。自分が感情の変動を経験していることを理解してもらうことで、周囲からのサポートを受けやすくなります。
サポートグループへの参加: 同じような経験をしている人たちと話し合うことも有効です。サポートグループやオンラインコミュニティに参加することで、孤独感が軽減し、症状管理に役立つ情報を得ることができます。

7. 気分や行動の記録
気分日記をつける: 毎日の気分の変動や行動、睡眠パターン、ストレスレベルなどを記録することで、感情の波をより客観的に把握できるようになります。気分日記をつけることで、症状が悪化する兆候を早期に発見し、適切に対処できます。
早期警戒システムを作る: 自分が躁や鬱の状態に入りかけている兆候を理解し、早期に対処するための「警告サイン」を見つけましょう。例えば、睡眠が減ったり、異常に活発になったりした場合は、早めに休息を取るようにします。

8. 食事の見直し
バランスの取れた食事: 食事は脳の健康に大きな影響を与えます。特に、オメガ3脂肪酸を含む食品(魚、ナッツ、種子など)や、全粒穀物、野菜、果物などのバランスの取れた食事は、気分の安定に役立ちます。
血糖値の安定: 血糖値の急激な変動は、気分にも影響を与えることがあります。炭水化物や糖分を摂り過ぎないようにし、血糖値が安定する食事を心がけましょう。

9. 長期的な計画を立てる
現実的な目標設定: 躁や鬱のエピソード中には、無理な目標を立てたり、極端な行動を取ることがあります。現実的で達成可能な目標を設定し、少しずつ進めることが重要です。
サポートシステムを整える: 自分が不安定な時期を乗り越えるために、友人や家族、専門家と協力し、サポートシステムを整えましょう。

最後に
双極性障害は慢性的な状態であり、自己管理や適切な治療が必要です。自己ケアを通じて症状のコントロールを図ることは可能ですが、症状が悪化した場合は必ず医師に相談することが大切です。


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