鬱病の場合、暗く沈んだ様子や自分を過小評価したりと、マイナスのイメージが大きいと思うのですが、鬱の症状と合わせて躁の症状が出るいわゆる躁鬱病の場合、まず躁鬱診断が重要になってきます。他の病気の診察、また他の心の病の診断と違って、躁鬱診断の場合は、患者さんが躁の状態で病院を訪れたのか、鬱の状態の時に来院されたのかによっても、躁鬱診断に違いが出るかもしれません。
その理由としては、躁鬱病の場合、躁と鬱の症状が時間をあけて交互に出ることになるので、やはり躁鬱診断を行うには何度か診察を繰り返す必要があると考えられます。心療内科で診察を受けている時間内に、両方の躁鬱症状が一度に出るとは考えられません。また、悲観的になり絶望的な言動があり、食事も取れないような状態が続く家族や友人がいれば、鬱病を疑って心療内科の受診を勧めることもあるでしょうが、躁鬱病を考えた場合はどうでしょうか。
実は、鬱の疑いのあった人が、真逆の明るくはしゃぐような言動を見せた時こそ、躁鬱診断を受けるべきなのでしょうが、実際には、躁の状態の時に心療内科での躁鬱診断を勧めることは少ないかもしれません。
躁病の場合、気分が高揚して大きな声を発したり暴れたりすることもありますが、ただ元気な様子だけでは躁病とは思わずに、まして鬱病の心配があったとすれば、ホッとして勘違いしてしまうこともあるでしょう。さらに、躁と鬱の症状が出る周期も決まっているわけではなく、何がきっかけとなって躁鬱が切り替わるのか、100人いれば100パターンあるかもしれないわけで、躁鬱診断の難しい面だと思います。
つまり、鬱病だけの診断よりも躁病の診断、そして躁鬱診断は難しいものであり、専門の機関での躁鬱診断に頼ることになるわけです。中には、鬱病かもしれないと心療内科を受診して、躁鬱診断を行った結果、躁鬱病つまり双極性障害という精神疾患とわかることもあります。鬱病の症状が改善して突然元気になった時は、安心してしまわずに躁鬱診断を受けてみる必要があるかもしれません。
もし、躁鬱診断で心療内科を受診するのであれば、川西市のこばやしクリニックにご来院ください。