倦怠感で、会社を休みたい、家事も放っておきたい、そう思うことは誰もが経験のあることではないでしょうか。
大人だけでなく中学生の場合も例外ではなく、体がだるくて朝起きられずにたびたび学校を休むことが引き金となり、次第に中学生活そのものから逃げ出したくなれば、不登校になってしまうこともあるでしょう。
中学生の頃から引きこもりとなって、30・40歳になっても仕事もせずに何年も引きこもったままというケースも少なくありません。
倦怠感は、実際に身体が疲労を抱えて思い通りに行動できないといった時に感じることもあるでしょうが、そういった症状は一定期間の休息をとれば身体の疲労から回復して、苦しみからも解放されるのでしょう。
中学生であれば、部活の試合などで気持ちがハイになった状態から一転して卒部を迎えた時は、一時的に倦怠感で何もする気がなくなってしまうかもしれませんが、受験や高校生活などの次のステップに向けて再びやる気を取り戻すものです。
ただ、なかなかぬぐい切れない倦怠感で苦しむこともないとは言えません。
たとえば、起立性調節障害が原因となって起こる倦怠感の場合は、なかなか抜け出すことができずに、中学生にとっては将来に影響を及ぼすような事態にもなりかねません。
起立性調節障害は交感神経と副交感神経のバランスが崩れて起こる疾患で、中学生の場合は特に朝に倦怠感が増して、さらに朝に限ってお腹が痛くなったり、頭が痛くなったりすることもあるかもしれません。
そんな時の親からのまくしたてられるような𠮟責は中学生にとっては逆効果の場合もあり、自分の部屋から出てこなくなってそのまま不登校が続いてしまうこともあるのではないでしょうか。
そうなってしまうと簡単には親の言葉が通じなくなり、心療内科などの専門医を頼ってみてもいいのではないでしょうか。
若いのだから沢山寝ればきっと大丈夫!などと簡単に思ってしまう大人と、倦怠感で苦しむ中学生とではいつまでも平行線のままかと思います。
倦怠感で苦しむ中学生には心療内科の受診をお勧めいたします。
中学生が倦怠感を感じる原因は?
中学生が倦怠感を感じる原因はいくつか考えられます。ここではいくつかの一般的な原因を挙げてみます。
睡眠不足
中学生は成長期にあり、十分な睡眠が必要です。しかし、勉強や部活動、趣味、スマートフォンの使用などで就寝時間が遅くなることが多く、睡眠不足になりがちです。睡眠不足は倦怠感を引き起こす主な原因の一つです。
ストレスやプレッシャー
学校生活では、勉強、部活動、人間関係などさまざまなストレスがあります。試験前のプレッシャーや友人関係の悩みなどが精神的な疲労をもたらし、それが身体的な倦怠感として現れることがあります。
栄養バランスの乱れ
忙しい生活の中で食事の時間が不規則になったり、ジャンクフードや甘いものばかり食べたりすることで、栄養バランスが乱れることがあります。特に、鉄分やビタミンなどの不足は、体のエネルギー生成に影響し、倦怠感を引き起こします。
運動不足
身体を動かす機会が少ないと、血流が悪くなり、疲れやすくなることがあります。定期的な運動は、体力を向上させるだけでなく、精神的なリフレッシュにも効果的です。
成長期の体の変化
思春期は体が急激に成長する時期であり、ホルモンバランスの変化や成長痛など、体調の変化が多く見られます。このような変化が、倦怠感や疲労感を引き起こすことがあります。
病気や健康問題
貧血や慢性疲労症候群、甲状腺の問題など、健康に関わる何らかの問題が倦怠感の原因である場合もあります。倦怠感が長期間続く場合や、他の症状(頭痛、めまい、動悸など)がある場合は、医師に相談することが重要です。
倦怠感が続く場合は、まずは生活習慣を見直し、改善できる点を探すことが大切です。それでも改善しない場合や、他の症状が現れる場合は、専門家の診断を受けることをお勧めします。
倦怠感を予防する方法は?
中学生にとって倦怠感を予防するための方法はいくつかあります。以下の対策を取り入れることで、日々の生活の中でエネルギーを保ちやすくすることができます。
十分な睡眠を確保する
睡眠は体と心をリフレッシュさせるために非常に重要です。中学生には1日あたり8~10時間の睡眠が推奨されています。規則正しい睡眠習慣を身につけるために、毎日同じ時間に寝起きすることを心がけましょう。また、就寝前の1時間はスマートフォンやパソコンを避け、リラックスした状態で眠りにつけるよう工夫することが大切です。
バランスの取れた食事を心がける
エネルギー不足を防ぐためには、3食のバランスが大切です。特に朝食は、1日の始まりに必要なエネルギーを補給するために欠かせません。野菜、果物、タンパク質、炭水化物をバランスよく摂るよう心がけましょう。また、鉄分やビタミンを多く含む食品(ほうれん草、レバー、魚など)を意識して摂取することで、疲労感を軽減することができます。
適度な運動を行う
運動は血行を良くし、心身をリフレッシュさせます。ウォーキングやジョギングなどの軽い運動を毎日30分程度行うだけでも、体力が向上し、倦怠感を予防する効果があります。また、体育の授業や部活動など、学校での運動を積極的に楽しむこともおすすめです。
ストレスを適切に管理する
ストレスは倦怠感の大きな原因となることがあります。趣味や友人との時間を大切にし、リラックスする時間を設けることが重要です。深呼吸や瞑想、リラクゼーション音楽を聴くなど、自分に合った方法でストレスを軽減しましょう。
水分補給を忘れない
体が水分不足になると、血流が悪くなり、エネルギーの生成が阻害されるため、倦怠感を感じやすくなります。1日に1.5~2リットルの水を目安に、こまめに水分を補給するよう心がけましょう。
適切な休憩を取る
長時間の勉強や活動は、体と心に大きな負担をかけます。定期的に短い休憩を挟むことで、集中力を持続させることができます。勉強中や作業中に15分程度の休憩を取り、軽いストレッチや深呼吸をすると効果的です。
定期的に健康チェックを行う
倦怠感が長期間続く場合や、他の症状がある場合は、健康状態を確認するために医師に相談することも重要です。特に、貧血やホルモンバランスの乱れが原因であることも考えられるので、定期的な健康診断を受けるようにしましょう。
ポジティブな思考を保つ
心の状態は体にも影響を与えます。前向きな気持ちを持ち続けることで、精神的な疲労感を軽減することができます。達成感のある小さな目標を設定したり、日々の感謝の気持ちを大切にすることも効果的です。
これらの方法を実践することで、倦怠感を予防し、より健康的で活力のある生活を送ることができるでしょう。もしも疲れが続く場合や症状が悪化する場合は、医師や保健室の先生に相談することをおすすめします。
倦怠感を改善する方法
倦怠感を改善するための方法は、生活習慣や心身のケアを工夫することにあります。以下に、倦怠感を改善するための具体的な方法をいくつか紹介します。
休養を十分に取る
倦怠感があるときは、まずは体を休めることが重要です。十分な睡眠を確保し、昼寝をするのも良いでしょう。特に、20〜30分程度の短い昼寝は脳をリフレッシュさせ、午後の活動をより効率的に行うために役立ちます。
ストレッチや軽い運動をする
座りっぱなしや同じ姿勢を続けると血流が悪くなり、倦怠感を感じやすくなります。ストレッチやヨガ、ウォーキングなどの軽い運動を行い、筋肉をほぐすことで血流を促進し、疲労感を軽減することができます。特に、外の空気を吸いながらの散歩は気分転換にも効果的です。
栄養を意識した食事をとる
栄養バランスの良い食事を心がけましょう。特に、疲労回復に効果的なビタミンB群(豚肉、豆類、ナッツなど)や、鉄分(赤身の肉、魚、ほうれん草など)を含む食品を積極的に摂取すると良いでしょう。朝食を抜かないようにすることも大切です。
水分をこまめに補給する
体内の水分が不足すると、疲労感が強くなります。特に活動中や暑い日には、水分をこまめに摂るようにしましょう。カフェインや砂糖の多い飲み物よりも、水やスポーツドリンクを選ぶのがおすすめです。
リラクゼーションを取り入れる
精神的な疲労を軽減するために、リラクゼーションの時間を設けましょう。深呼吸、瞑想、音楽を聴く、入浴など、自分がリラックスできる方法を見つけて実践することで、心身ともにリフレッシュできます。
適度に休憩を取る
長時間の勉強や仕事は、集中力を削ぎ、倦怠感を引き起こします。60〜90分ごとに5〜10分程度の休憩を挟むことで、集中力を持続させつつ疲労を防ぐことができます。休憩中にストレッチや軽い運動をするとさらに効果的です。
環境を整える
生活環境を整えることも重要です。部屋を明るくし、換気を良くすることで、気分がリフレッシュしやすくなります。デスクやベッド周りを片付けることで、心の余裕が生まれ、疲れを感じにくくなることもあります。
ポジティブな思考を心がける
倦怠感の一因は、ネガティブな思考やストレスにあることがあります。自分の成功体験や好きなことを思い出し、気持ちを前向きに保つことが、精神的な疲労を軽減する助けになります。
医師の診断を受ける
倦怠感が長期間続く場合や、他の体調不良を伴う場合は、病気の可能性も考えられます。貧血、甲状腺の異常、慢性疲労症候群などの可能性があるため、医師に相談して適切な診断を受けることが大切です。
無理をしない
自分の体調に合わせて無理をしないことが大切です。予定を詰め込みすぎず、適度な休息を取り入れることで、体調を整えることができます。
これらの方法を試しても改善が見られない場合は、専門家に相談することをおすすめします。日常生活の中で少しずつできることから始めて、健康的な体と心を保ちましょう。