食欲不振の治し方とは? - 川西市の心療内科 こばやしクリニック

 

食欲不振の治し方とは?

食欲不振の治し方がわからずお困りではないでしょうか。

どうすれば何でもおいしく食べれるようになるかと、食事の味付けを変えてみたり、食事の場の雰囲気を変えてみたりと、工夫するのも治し方の一つの手かもしれません。

ただ、その食欲不振が精神的な疲労からきているとすれば、味付けや雰囲気を変えることが治し方として適しているとは言えないのではないでしょうか。

実は心療内科を受診する患者さんの多くが、問診の際に食欲不振を訴えられます。

特に、うつ病が懸念されるような患者さんの場合、人との会話が億劫になったり自己否定的になったり、絶望的・悲観的に物事を考えるなど心理的なマイナスの症状が現れることが多いのですが、同時に睡眠障害や食欲不振、便秘や胃部の違和感や頭痛や肩こりといった、体調の変化といった症状も現れやすくなるようです。

そして、前者のような心理的な症状の治し方として真っ先に考えられるのは心療内科や精神科を受診することかもしれませんが、後者の場合の治し方としては内科や胃腸科で検査を受ける、あるいは市販薬を飲んで様子を見るといった治し方を優先するケースが多いように思います。

なかなか食欲不振の治し方として、心療内科を受診してみようとは思わないものです。

■■
 

ところが逆に考えれば、心の病で心療内科を受診された方の多くが食欲不振を訴えるならば、食べてもおいしく感じられない、食欲がわかないと思った時は、早めに心療内科を受診してみるのも治し方として検討していただければと思います。

もちろん、さまざまなケースがありますので、食欲不振が胃や腸の疾患の影響であることは多いのですが、内科や胃腸科の受診と合わせて心療内科も視野に入れていただければと思います。

そして、兵庫や大阪で食欲不振や睡眠障害でお悩みの時は、阪急宝塚線の川西能勢口駅からすぐのこばやしクリニックにご相談ください。

当クリニックは、地域に根差した医療を目指し、敷居の高さを感じさせない心療内科であり精神科・神経科でもあります。

穏やかで安らぎのある待合室や診察室なので安心して受診いただけるはずです。

 

食欲不振の主な原因は?

1. 身体的な原因
感染症や病気
風邪やインフルエンザ、胃腸炎などで体力が落ちていると、食べ物を消化するためのエネルギーを温存しようとし、食欲が低下します。また、慢性疾患(糖尿病、腎不全、慢性肝炎、心不全など)は、身体全体の代謝に影響を及ぼし、食欲が落ちる原因となります。

消化器系の問題
消化器系に異常があると、食べるときや食後に不快感を伴うため、食事を避ける傾向が出ます。特に胃潰瘍や胃酸過多、逆流性食道炎があると、胸やけや痛みが出やすく、食欲が減退しやすいです。また、腸内の菌バランスが崩れ、消化が悪化することで満腹感やガスによる不快感が生じ、食欲が低下します。

ホルモンバランスの乱れ
甲状腺ホルモン、女性ホルモン、ストレスホルモンなどの分泌が乱れると、代謝や消化器官の働きに影響し、食欲が変化します。甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモン不足)では代謝が落ち、食欲が低下することがあります。月経前症候群や更年期障害ではホルモンバランスが変動しやすく、気分の落ち込みと共に食欲も変わりやすいです。

薬の副作用
特に抗生物質、抗うつ薬、鎮痛薬、がん治療薬(抗がん剤)などの一部は、消化不良や吐き気を引き起こす副作用があり、それが食欲不振につながることがあります。こうした副作用の影響で、薬の服用期間中は食欲が低下しやすくなります。

2. 心理的な原因
ストレス
強いストレスは交感神経を活発にし、消化機能を抑制します。さらに、ストレスホルモンであるコルチゾールやアドレナリンが増加し、食欲を抑えたり、消化器系に不快感を与えたりすることで、食欲不振を引き起こすことがあります。ストレスの原因として、職場や人間関係、経済的な不安などが考えられます。

うつ病や不安障害
うつ病の典型的な症状として、意欲や興味の減退が挙げられますが、これに伴って食欲も低下しやすいです。食事をする意欲が湧かない、または味を感じにくくなるため、食事を取るのが億劫に感じることがあります。不安障害では、不安や緊張感が強く、消化が抑制され、食事に対して不快感が生じることがあります。

トラウマや悲しみ
深い悲しみやショックな出来事、トラウマ体験は、心理的にも身体的にも大きな負担をかけ、食欲に影響を与えます。たとえば、身近な人を失ったり、深刻な人間関係のトラブルが発生したりすると、気持ちが沈み、食事を楽しむ気持ちが薄れます。

3. 生活習慣や環境の影響
睡眠不足
睡眠不足が続くと、レプチン(食欲を抑制するホルモン)とグレリン(食欲を増進するホルモン)のバランスが崩れます。睡眠不足によって食欲をコントロールするホルモンバランスが乱れ、満腹感が増すことで食欲が低下しやすくなります。

食生活の乱れ
不規則な食事時間や、極端なダイエットは消化器のリズムを狂わせます。空腹の時間が長すぎると消化器官が休止状態になり、いざ食事をすると胃腸が負担を感じることがあります。偏食や栄養バランスの偏りも胃腸の負担を増やし、結果として食欲が落ちやすくなります。

運動不足
適度な運動は胃腸の血流を良くし、消化を助けるため、運動不足が続くと代謝が落ち、消化器の動きも鈍ります。そのため、消化能力が低下して満腹感が続く、または胃もたれを感じやすくなり、食欲が減退します。

アルコールや喫煙
過度のアルコール摂取や喫煙は、胃や腸の粘膜を刺激し、消化器官の働きを乱す原因になります。胃が荒れると、食事を取ること自体が苦痛になり、食欲が低下することが多くなります。

4. 加齢による影響
代謝や消化機能の低下
加齢に伴い、基礎代謝や消化能力が低下するため、若い頃と比べて少量の食事で満足するようになります。また、年齢とともに胃腸の蠕動運動が遅くなるため、食後の消化が遅れ、満腹感が長く続きます。その結果、次の食事の時間になっても空腹感が感じにくくなります。

味覚・嗅覚の衰え
年齢を重ねると味覚や嗅覚が鈍くなり、食べ物の香りや味が薄く感じられるようになります。そのため、食事の楽しみが減少し、結果的に食欲が低下することがあります。

5. 環境要因
気温や湿度の影響
気温が高くなると、体が体温調節のためにエネルギーを使い、消化器官への血流が減るため、食欲が低下します。特に夏の暑い時期は、汗をかきやすく体内の水分バランスも崩れやすいため、消化に関心が向きにくくなります。

食事環境
食事を取る環境も食欲に影響を与えます。清潔で快適な空間で食事を楽しめるかどうか、また食事が見た目や香りで魅力的に感じられるかどうかが、食欲を引き出す重要な要素です。また、急いで食べなければならない状況や、気分が落ち着かない場所での食事は、心理的に食事を避けるように感じることもあります。

6. 内分泌疾患や代謝性疾患
糖尿病
糖尿病では血糖値が乱れやすく、食後の血糖値上昇が急激に起こりやすいです。これが食欲に悪影響を及ぼし、食後の不快感を感じやすくなるため、食欲が減少することがあります。

甲状腺機能異常
甲状腺ホルモンは代謝を調節しており、機能が低下するとエネルギー消費が落ち、食欲も減少します。甲状腺機能が亢進している場合は、逆に過食症状が出ることもあります。

食欲不振の原因は多岐にわたり、身体的要因から心理的要因、生活習慣や環境、ホルモンバランスの乱れまでさまざまです。食欲不振が続く場合は、原因が単なる一時的なものなのか、それとも慢性的な病気や生活習慣の影響なのかを見極めることが重要です

 

食欲不振を改善する方法

1. 規則正しい生活と食習慣の改善
食事の時間を決める
食事時間を規則的にし、毎日同じ時間に食べることで、体内時計を整え、食欲を正常に保ちます。無理に食べることは避け、少しずつでも食べる習慣をつけることが重要です。

少量ずつ頻繁に食べる
一度に多く食べるのが難しい場合は、食事の回数を増やして、少量ずつ食べるようにします。例えば、3食ではなく5~6食に分けて食べると、胃腸への負担が減り、食欲が戻りやすくなります。

栄養バランスを考えた食事
消化が良く、栄養価の高い食材を取り入れるようにしましょう。例えば、野菜やフルーツ、魚、卵、乳製品など、消化の良い食材を中心に取り入れ、体が必要とするエネルギーを補うことが大切です。

2. ストレス管理とリラクゼーション
ストレスを減らす
ストレスが食欲不振の原因になっている場合、リラックスする時間を作ることが大切です。深呼吸、瞑想、ヨガ、マインドフルネスなどのリラクゼーション法を取り入れて、心身をリセットしましょう。

趣味や楽しみを見つける
食事以外で楽しめる活動を増やすことで、気分転換を図り、食事に対する意欲が湧きやすくなります。自分がリラックスできる時間を作ることで、心の負担を軽減できます。

3. 運動を取り入れる
軽い運動をする
適度な運動は胃腸の働きを活発にし、食欲を促進する効果があります。ウォーキングやストレッチなど軽い運動から始めて、体調に合わせて続けることが大切です。

体を動かすことでリフレッシュ
運動によって血行が良くなり、エネルギーが増すとともに、食欲も向上する場合があります。食事の前に軽い運動をするのも有効です。

4. 心理的なアプローチ
感情に向き合う
食欲不振が心理的な問題に起因している場合、うつ病や不安症の症状に対処することが重要です。自分の感情に向き合い、無理なく食事を楽しむ気持ちを取り戻すことが大切です。

心理療法やカウンセリング
心理的なストレスやトラウマが食欲不振の原因となっている場合、カウンセリングや認知行動療法(CBT)など、専門的な治療を受けることで改善する場合があります。専門家に相談することが有効です。

5. 食事の環境を整える
食事の環境を快適にする
食事中にリラックスできるように、静かな場所で食事をとりましょう。明るい照明や音楽など、食事を楽しむための環境を整えると、食欲がわきやすくなります。

見た目や香りで食欲を引き出す
食事を見た目に美しく盛りつけたり、香りを楽しむことも食欲を刺激します。視覚や嗅覚を使って、食事を楽しい時間にする工夫が効果的です。

6. 水分補給を適切にする
水分摂取を心がける
十分な水分を摂取することは、胃腸の健康を保つためにも大切です。食事前後に少量ずつ水分を摂ることで、胃腸が元気になります。ただし、食事中に一度に大量の水分を摂取すると、胃が膨らんで食欲が失われることがあるので注意が必要です。

7. 食欲を引き出す食べ物の選び方
香り高い食材を使う
香りが強い食材(例えば生姜、ニンニク、ハーブなど)を使うことで、食欲を引き出す効果があります。香りは食欲に大きな影響を与えるため、食欲を増進するための工夫として有効です。

消化の良い食べ物を選ぶ
胃腸の負担を軽減するために、消化に良い食べ物(おかゆ、スープ、ヨーグルトなど)を選び、胃が疲れているときでも食べやすいものを摂取するようにしましょう。

8. サプリメントや栄養補助食品の利用
サプリメントを利用する
ビタミンB群や亜鉛、アミノ酸などは、食欲を促進する成分として知られています。食欲が長期間低下している場合は、医師と相談してサプリメントを補うことも一つの手段です。

プロバイオティクスの摂取
腸内フローラ(腸内細菌のバランス)が食欲に影響を与えることがあります。プロバイオティクス(ヨーグルトや発酵食品など)を摂取することで、腸内環境を整えることが食欲改善につながることがあります。

9. 医療機関への相談
専門家に相談する
食欲不振が長期間続く場合や改善が見られない場合は、医師に相談することが重要です。血液検査や消化器系の検査を受けて、身体的な異常がないかを確認することができます。また、心理的な要因が強い場合は、カウンセリングや心理療法が有効です。

食欲不振を改善する方法は、生活習慣を見直し、ストレスを減らし、心理的なサポートを取り入れることが中心です。無理に食べようとするのではなく、徐々に食事を楽しめる環境を整えて、体と心をサポートすることが大切です。改善が見られない場合や長期的な問題がある場合は、専門家の助けを借りることが重要です。


コメントは受け付けていません。

 

電話をかける
2024年7月31日
8月の診療のお知らせ

令和6年8月11日の日曜日はから令和6年8月18日までお盆のお休みをいただきます。ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

2023年8月14日
お知らせ

令和6年9月は通常通りの診療時間です。ただし、16日(月曜日)と23日(月曜日)は祝日のためお休みさせていただきます。お気を付けください。よろしくお願いいたします。