不眠症の治し方でお悩みの方は大変多いようで、当クリニックにも睡眠障害で来院される患者さんがたくさんいらっしゃいます。そして、不眠症の治し方に関連して、忘れてならないのが日内変動です。体温や血圧、気分の変化などが1日のうちに変動することを意味していますが、日内変動が睡眠障害にも大きく影響していると言えます。
たとえば、体温の日内変動は1日1℃程度で、朝晩の体温は低く日中の体温が高くなります。そして、体温が下がれば自然と眠くなり、体温が上がる日中は活発に動くことができるはずです。
ただ、寝付かれないとか熟睡できないといった場合は、体温の日内変動に問題がある場合もあり、睡眠障害の治し方と体温の日内変動は関連があると言えるでしょう。また、血圧は特に激しく、朝夕の血圧も違えば日によっても違うことが多く、さらに血圧を測る時の心理状態によっても違ってきます。そうなれば高血圧症の治し方として、血圧の日内変動に目を向ける必要もあるでしょう。
そして、気分の日内変動は心の病の治し方にも大きな影響があります。もちろん、気分の浮き沈みなどは誰にでも起こることですが、日内変動が激しければうつ病や躁うつ病といった病の疑いもあり、どんな変化があるかを見極めることが心の病の治し方のポイントになるかもしれません。

うつ病の症状でもある絶望的になるなどの感情の障害の治し方や、意欲の低下などの障害の治し方は、専門の医療機関にゆだねることをおすすめします。
もちろん、心の病の治し方など無縁だという方が多いとは思いますが、自分では気付かないうちに気分の日内変動が激しくなり、周囲とのトラブルを引き起こすこともあるかもしれません。日内変動は身体に備わった体内時計によって変動すると言われていますが、不規則な食事や睡眠不足、ゲームを何時間も続けるといった影響で、体内時計が狂い日内変動への影響が心配されることもあります。
そして、睡眠障害やうつ病などを発症することもありますので、治し方についてはこばやしクリニックにご相談ください。
日内変更が起こる主な原因
① 自律神経の乱れ
・交感神経・副交感神経の切り替えがうまくいかない
→ 朝しんどく、午後に少し楽になるなどの変動が出やすい
② うつ病・躁うつ病(双極性障害)に関連
特にうつ状態では
・朝がしんどい
・夕方に少し楽になる
という「典型的な日内変動」がよく見られる。
双極性の場合も、エネルギー量の波が日内で変化することがある。
③ 睡眠の質が悪い(浅い・中途覚醒が多い)
深く眠れていないと、
・朝だるい
・午後〜夜に元気になる
などの変動が起きる。
④ ホルモンの影響
・コルチゾール(ストレスホルモン):朝に高く夜に低い
・セロトニン/メラトニン
これらが乱れると日中の気分・集中・活力が不安定になる。
⑤ 血糖値の変動
・空腹や急激な血糖値変化で気分や体力が上下
特に朝食抜きの人に多い。
⑥ ストレスや精神的負荷
ストレスを抱えていると、1日の中で気持ちが大きく揺れやすい。
⑦ 薬の作用(抗うつ薬・睡眠薬・安定剤など)
薬の血中濃度が日内で変わるため、
効き方が時間ごとに変わって気分の変動になることがある。
日内変動を予防する方法
1. 生活リズムを一定にする(最重要)
●毎日、起きる時間を固定する
寝る時間より「起きる時間」が大事。
体内時計が整い、日中の気分・体力の上下が小さくなる。
●朝に太陽光を浴びる(5〜10分)
体内時計がリセットされ、コルチゾールのリズムが整う。
2. 睡眠の質を良くする
●寝る90分前にお風呂
副交感神経が働き、深い睡眠に入りやすくなる。
● 寝る前のスマホを控える(30〜60分)
脳の覚醒が収まり、日内変動が軽減。
●アルコールを控える
寝つきは良くても「深い睡眠」を削る → 朝〜昼の調子が悪化しやすい。
3. 食事での予防
●朝食をしっかり食べる
・血糖値が安定
・体内時計が整う
→ 午前中のだるさや気分の落ち込みを防ぐ。
・カフェインは14時まで
午後以降は睡眠を浅くして翌日の日内変動を悪化させる。
4. 体の負荷を整える
● 毎日軽い運動を入れる(散歩10〜20分でもOK)
→ 自律神経が安定し、日内の気分の上下が穏やかに。
● 夕方〜夜の激しい運動は控える
寝つきが悪くなり、翌日の変動につながる。
5. メンタル面のコントロール
● 寝る前に「心配ごとを書き出す」
脳の負荷が下がり、睡眠質が改善 → 日内変動が減る。
● 完璧主義を手放す習慣
ストレスで自律神経が乱れている人は日内変動が起こりやすい。
6. 生活環境(部屋)を整える
・部屋の温度:20〜22度
・明るさ:暗め
・枕やマットレスを見直す
小さな環境の乱れも睡眠に影響し、翌日の気分の波につながる。
7. 薬を飲んでいる場合は調整が必要なことも
抗うつ薬や安定剤、睡眠薬は薬の効く時間帯が日内変動に影響することがある
→ 医師に相談すると調整できる場合がある。
まとめ
日内変動は
「自律神経の乱れ」+「睡眠の質」+「生活リズム」
この3つが整うと大きく改善することが多いです。










