今では、5人に1人は睡眠障害の傾向にあると言われているようですが、実際に不眠症治療を受けた経験のある方は少ないのではないでしょうか。特に、眠れないだけで他に困った症状が出ていないのであれば、まさか不眠症治療が必要だと思うこともないでしょう。ただ、不眠症に慣れてしまって、身体が無理をしていることに気付かないまま治療が遅れてしまう方はとても多いと思います。昼間にボーっとしていることが多かったり、仕事でミスをすることが増えるなど、不眠症治療をきちんと受けないことのリスクは大きいものです。次第に、めまいや頭痛が起こりやすくなり、吐き気まで起こることもあります。寝付きが悪いだけでなく夜中に何度も目が覚めるとか、寝ても熟睡した気がしないといった不眠症症状が出ていれば、集中力や記憶力にも影響しやすくなりますので、できるだけ早く不眠症治療を開始していただければと思います。

また、頭痛や倦怠感などが気になり内科を受診しても、特別な異常が見つからないために安心してしまい、不眠症治療が遅れてしまうこともあります。異常が見つからなくても症状が改善されていないのであれば、安心する前に心療内科を受診していただくことで、不眠症治療が必要だと判断されることもありますので、気軽に心療内科を受診していただければと思います。
不眠症を克服する方法
① 不眠症が起きる本当の仕組み
睡眠はこの 2つの力のバランス で決まります。
① 覚醒力(脳を起こす力)
・ストレス・不安・考え事
・スマホ・光・音
・カフェイン・緊張
② 睡眠圧(眠らせる力)
・起きていた時間の長さ
・日中の活動量
・体温の下がり
不眠症の人は
「眠らせる力が弱い」+「覚醒力が強すぎる」 状態です。
② 不眠症のタイプ別・原因と対策
① 寝つけない(入眠困難)
主な原因
・「早く寝なきゃ」という焦り
・布団に入ってから考え事が始まる
・寝床=覚醒の場所になっている
対策(重要順)
1.眠くなってから布団に入る
時間で寝ない(23時だから寝る、はNG)
2.布団で30分眠れなければ一度出る
3.寝る前ルーティンを固定
同じ音楽、同じ照明、同じ行動
ポイント
「布団=眠れない場所」という条件反射を消すことが最優先
② 夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)
主な原因
・自律神経の乱れ
・アルコール(実は覚醒を増やす)
・眠りが浅い
対策
・寝酒をやめる
・就寝前のスマホを完全に断つ
・夜間の時計チェックをやめる(時間を見ると脳が覚醒)
目が覚めたら
→「あ、起きたな」だけでOK
→ 対処しようとしない(再入眠が早くなります)
③ 早朝に目が覚める(早朝覚醒)
主な原因
・ストレス・抑うつ傾向
・睡眠時間を長く取りすぎている
対策
・就床時間を遅らせる
・布団にいる時間を短くする
・朝の光をしっかり浴びる
※このタイプは「早く寝るほど悪化」しやすいです。
③ 「絶対にやってはいけないこと」
× 布団の中で頑張る
×眠れなかった日の寝だめ
×睡眠時間を毎日気にする
× 時計を見る
× 「今日は何時間眠れた?」と評価する
睡眠は コントロールしようとすると逃げます
④ 不眠を悪化させる思考のクセ(超重要)
不眠症の9割は 脳の誤学習 です。
よくある誤解
・×「眠れないと明日は終わり」
・×「8時間眠らないと健康に悪い」
・×「今日は絶対寝なきゃ」
正しい考え
・人は多少寝不足でも普通に動ける
・ 横になっているだけでも脳は休んでいる
・ 睡眠は自然現象、努力はいらない
この考え方に変えるだけで改善する人も多いです。
⑤ 今日からできる「具体的1日モデル」
朝
・決まった時間に起きる
・光を浴びる
昼
・15〜30分の散歩
・昼寝はしない or 20分以内
夜
・寝る90分前に風呂
・寝る前は間接照明
・眠くなってから布団へ
⑥ 薬について正しい理解
・睡眠薬=最後の手段ではない
・「眠れる感覚」を思い出すための補助」
・一時的に使ってやめる人が多数
→ 我慢し続ける方が慢性化します。
最後に大事な一言
「眠れなくても大丈夫」と思えた夜に、人は一番よく眠れます。
次に進むなら
→ あなたの不眠はどのタイプか
(①寝つけない ②途中で起きる ③早く起きる ④全部)
教えてください。
そこに完全に特化した対策を出します。










