眠れない日が何日も続くと、不眠克服のために頑張って眠ろうとしてしまうものです。「今夜こそ、しっかり眠らなくては・・・。」そう思えば思うほど、不眠克服は遠のいていくのではないでしょうか。不眠症にも、その症状はさまざまありますが、まずは不眠克服のためには、その原因を明らかにして、適切な対応を知ることだと思います。
もちろん、不眠克服のために自分でできる工夫も数々あるでしょう。よく言われるのが、リラックスできる環境を作るということです。特に、寝室の照明や音、部屋の温度や乾燥に気を配ることも、不眠克服には有効だと言われています。就寝前の入浴の時間や温度にも注意を払い、気持ちをリラックスさせ音楽を流したり、適度なストレッチを行うことも不眠克服につながるはずです。若い女性などは、不眠克服のためにアロマを上手に取り入れている方もいるようです。
もし、その日やり残した仕事があって、そのことが頭から離れずに眠れないのであれば、思い切って仕事を処理してから眠りに付いた方が、不眠克服の面から言えば適している場合もあるかもしれません。そして、多くの方が不眠克服のために頼りたくなるのがアルコールであり、そのアルコールが不眠克服に有効か、逆に不眠症を悪化させてしまうかは、個人差があるものです。不眠克服のために、寝る前には水分を取らないという方もいますが、逆に、睡眠中の身体からの水分の蒸発を考えれば、適度な量の水分は不眠克服に適しているとも言われています。
実は、不眠克服のために心療内科を受診された患者さんの中には、そういったさまざまな不眠克服を試したもののあまり効果はなく、ようやく心療内科を頼るという方も多く、それまでの不眠克服に向けての工夫が何の意味も持たないという場合もあります。中には、「もっと早く心療内科で不眠克服の指導を受けていたら・・・。」と言われる患者さんもいます。
自らの不眠克服のための工夫が良い結果を生み場合もありますが、長引く不眠症には、専門医である心療内科に相談されることをおすすめいたします。