「中学生が躁鬱」と聞くと驚かれるかもしれません。躁鬱は大人になってから、しかもさまざまなしがらみの中で生きている社会人に起こる疾患であって、生まれてわずか10数年の中学生は躁鬱などとはまったく縁がないと思ってしまうものです。ただ、「中学生が躁鬱」と驚くこともないほど、密かに増え続けているようです。
おそらく、中学校生活を無邪気に楽しむことができないような環境であったり、単純に勉強さえしておけばいいというものでもなく、色々な悩みが付きまとい、しかも簡単には悩みが解決できずに、中学生にも大人の社会生活と同じような負担がかかっているのではないでしょうか。
たとえば、中学生になったばかりの頃に躁鬱に陥るケースもあるでしょう。新しい学校の雰囲気や人間関係に慣れるまでの心の負担は、大人には計り知れないものがあるのかもしれません。笑わなくなったり会話が少なくなったり、食事の量が減れば鬱を疑いたくなります。
そして、ある日突然元気を取り戻したかのようにしゃべり出し、テンションが高くなれば、鬱ではなかったと安心してしまうかもしれません。
また、中学生に待ち構えているのが受験であり、受験の時期が近づくことで躁鬱になることもあります。
受験の時期は友達との会話も減り孤立しやすくなるでしょうし、中学生にとって初めての大きな試練の場を迎えるわけで、思い通りに勉強がはかどらないことでイライラしたり家族に当たったり、眠れなくなり朝起きられなくなり、さまざまな躁鬱の症状が出てくることがありますが、きっと多くのご家庭が受験だから仕方ないと見過ごしてしまうこともあるのではないでしょうか。
もちろん、一時的な気分の浮き沈みであればいいのですが、中には深刻な躁鬱に陥る中学生もいるはずです。
それでも、まさか中学生なのに躁鬱になるわけがないと思いたいのかもしれませんが、安心するためにも早めに心療内科や精神科などを受診していただいて、手を打っていただきたいと思います。そして、中学生の躁鬱でお悩みの時は、川西市のこばやしクリニックにご来院ください。