なんとかして躁鬱病を治したいと思った時、カウンセリングさえ受ければすぐにでも改善すると思っている方もいるようです。中には、電話相談のような形でカウンセリングを数回受ければ、躁鬱の状態から嘘のように脱出できると思う方もいるでしょう。
もし簡単なカウンセリングだけで躁鬱が治ったと感じるようであれば、おそらくそれは躁鬱ではなく、環境の変化や心理状態に影響するような出来事に遭遇したことによる気持ちの揺れなのかもしれません。
もちろん、そういったことが引き金となって躁鬱を発症することもないとは言えませんが、心療内科医によるカウンセリングでなくても、親身になって相談できる人がいるだけで、気持ちが落ち着いて躁鬱かと思うような状態から抜け出すことができるのではないでしょうか。
当クリニックを訪れる患者さんの中にも、カウンセリングと問診・診断を同じようなものとして捉えている方がいらっしゃいますが、躁鬱や不眠症やパニック障害などの治療のために必要な対応は行っておりますが、カウンセリングといった形の対応は行っておりません。
また、まれにE-mailでのカウンセリングや診断を求められる方もいらっしゃいますが、やはり実際に患者さんを目の前にして診断させていただきたいと思いますので、ぜひご来院いただければと思います。
よくある例として、特に躁鬱の場合はご本人が心療内科や精神科の受診を拒んでいるために、ご家族が心配してカウンセリングを受けさせたいというご相談をいただくことがあります。おそらく精神科を受診するとなれば気持ちが余計に落ち込み、憂鬱になることもあるでしょう。
ただ、これまでの多くの心療内科や精神科の病院のイメージとは異なり、明るく穏やかで落ち着きのある当クリニックの雰囲気は、たとえ躁鬱の患者さんであっても安心して受診していただくことができ、治療に専念していただけると思います。
もし、躁鬱を何とかしたいと思われているようであれば、一時的なカウンセリングではなく、落ち着いて時間をかけて治療を続けることが望ましいと思います。