心療内科ではさまざまな心の病の治療に当たっているわけですが、心の病の一つに不安障害と呼ばれる症状があります。ただ、多くの場合は不安を感じることが危険を回避することに繋がるわけで、不安を感じることは厄介なこととは言えません。ところが、あまりにもその感情が行き過ぎたもので、神経が敏感になっている場合は不安障害を考えなければなりません。そして、できるだけ早く心療内科にご来院いただくことをおすすめいたします。
不安障害は、ショックな出来事がきっかけで発症することがあります。当クリニックの心療内科にも、不安障害の患者さんが来院されることがありますが、一度の失敗が原因で不安障害になったというケースもあります。たとえば、人前で話すという場面で失敗したために、それ以後大勢の人の前では声が出ないほどの状況に陥るといった不安障害もあります。また、事故や災害に遭遇した経験から、身の回りの音に敏感になり過ぎるのも不安障害と言えるので心療内科で治療を受けてみてはいかがでしょうか。さらに子供の頃に動物に噛まれたことで、犬や猫が近付くとパニックになるといった不安障害も心療内科の受診をおすすめします。不安障害が原因で、バスや電車、エレベーターにも乗れないといった患者さんが心療内科で治療を受けることもありますので、自分の症状も不安障害なのではと気付くことがあれば、心療内科のこばやしクリニックにご相談下さい。

不安障害の克服法
【第1段階】理解:不安障害はなぜ治らないのか
結論
不安障害は「不安が強い病気」ではなく、「不安を危険だと誤解して学習してしまった状態」です。
脳で起きている誤学習
1.不安が出る(正常)
2.「この不安はおかしい・危険だ」と判断
3.逃げる・避ける・安心を探す
4.脳が学ぶ
→「やっぱり危険だった」
※この学習ループが続くと、不安は慢性化します。
→ 重要なのは
不安そのものではなく「不安への反応」
不安は「症状」ではなく「反応」
・動悸
・息苦しさ
・めまい
・思考の暴走
これらはすべて自律神経が過剰に働いているだけで、危険でも異常でもありません。
【第2段階】実行:本当の克服法(ここが核心)
克服のゴールはこれだけ
× 不安を消す
☑不安があっても普通に行動できる
不安が消えるのは「結果」であって「目的」ではありません。
① 不安を消そうとするのをやめる(最重要)
なぜか?
不安は
「排除されるほど脳が危険と判断する」からです。
正しい態度
・「来たな」
・「体の誤反応」
・「あっても構わない」
→ これだけで不安のピークは下がります。
② 回避をやめて「少しだけ向き合う」(曝露)
不安障害の回復に必須です。
ルール
・小さく
・完璧にやらない
・逃げてもOK
例
恐怖- 最初の一歩
外出- 玄関に立つ
電車- 1駅だけ
動悸- 軽く息を速めてみる
→ 成功=不安のまま行動できたこと
③ 安心行動を減らす(超重要)
安心行動とは
・脈・血圧を測る
・誰かに確認する
・薬や水を常に持つ
・逃げ道を確保する
→ これらは一時的に楽になりますが、
長期的に不安を固定化します。
やり方
・いきなりゼロにしない
・1つずつ減らす
【第3段階】定着:脳を書き換える具体技術
① 思考への正しい対処(CBT)
やってはいけない
× 不安を論破
× ポジティブ思考
正解
事実と想像を分ける
例:
「この動悸で倒れるかも」
・事実:心拍が速い
・想像:倒れる
→ 想像は現実ではありません。
② ACT(受け入れ)の技術
不安を追い払うのではなく
「不安を連れて行動する」
・不安+外出
・不安+仕事
・不安+会話
→ これが脳の再学習になります。
③ 身体から整える(即効性あり)
呼吸
・4秒吸う → 6秒吐く × 5分
※吐く時間を長く
体を使う
・早歩き
・スクワット
・ストレッチ
→ 思考より身体が先に安心します。
よくある誤解(回復を妨げる)
× 不安が出た=失敗
× 良い日・悪い日で一喜一憂
× 完治を急ぐ
→ 回復は波を打ちながら進みます
薬について正直に
・薬は「逃げ」ではない
・脳の過敏さを正常域に戻す補助
・行動療法と併用が最も効果的
※自己判断での中断はNG
回復のリアルな順序
1.不安は出る
2.でも行動できる
3.気にする時間が減る
4.いつの間にか改善
→ 「治った感覚」は後から来る
最後に一番大切な考え方
不安は敵ではない
闘わなくなったとき、力を失う










