躁鬱病<重症の場合>の対処 - 川西市の心療内科 こばやしクリニック

 

躁鬱病<重症の場合>の対処

躁鬱病 重症今では躁鬱病という病名も多くの方が認識して、すっかり馴染み深いものになってしまったのかもしれません。それだけ躁鬱病という病名を目にする機会が増えたのでしょう。

たとえばテレビの健康番組や雑誌の特集、SNSで実際に躁鬱病になり治療された方の体験談を知ることもできます。

かつて、躁鬱病と言えばかなり重症な精神疾患として認識されていたと思います。重症ということになれば即刻入院ということになったかもしれません。

そして、精神科の病院に入院していることを隠そうとする傾向にあったのではないでしょうか。躁鬱病の疑いがあっても隠して病院を受診せずに、重症化させてしまうこともあったでしょう。

気分の浮き沈みが激しいといった症状があるわけですが、重症となれば妄想や幻聴が起こることもあります。

躁鬱病 重症
 

さらに、重症化すればさまざまなトラブルに発展することもあるでしょうし、中には悲惨な結果を招くこともあります。

そういったことを考えると躁鬱病という病名が広く知れ渡り、治療を受けることにあまり抵抗を感じずに済むことはいいことなのかもしれません。

重症化する前に早めに受診して、適切な治療さえ受ければ入院せずに済む場合もあるでしょう。

重症でなければ仕事を続けながら、投薬治療で対応できる場合もあるでしょう。

また、周りの躁鬱病への理解が進んで、治療を受けていることを隠さずに済むことは、重症化を防ぐことにつながるのかもしれません。

ただ、躁鬱病という病名がどんなに認知されて馴染み深い病名になったとしても、まさか自分自身が患うことになり、しかも重症になるとは思ってもみないはずです。

ところが、昨日までは他人事だった病が、突然ご自身の問題になることもないわけではありません。

ご自身はもちろんですが、ご家族や友人などに躁鬱病かと思われるような症状が現れた時、ためらわずに心療内科などを受診して、重症とならないような対策を取っていただきたいと思います。

そして、そのためには躁鬱病やパニック障害、さらに不眠症にも対応しているこころと不眠の診療所こばやしクリニックにご来院ください。

 

【重度の躁状態(躁病エピソード)】

躁状態が軽い「軽躁」と違い、重度の躁状態では、現実感を失い、社会的・経済的・身体的なトラブルを引き起こす危険があります。

主な重症症状:
① 思考・行動の暴走
・異常な高揚感・万能感
→「自分は天才」「何でもできる」「世界を変えられる」と感じる
・計画を立てずに大金を使う、無謀な投資や買い物
・突発的な行動(深夜に外出・突然の旅行・事業立ち上げなど)
・話が止まらない・早口・他人の話を遮る

② 睡眠欲求の極端な低下
・ほとんど寝なくても平気(2〜3時間、または徹夜)
・それでも疲れを感じず、動き続ける

③衝動性・危険行動
・過度な性的行動や浮気・不特定多数との関係
・無謀な運転・喧嘩・暴力的言動
・社会的信用を失う行動

④ 妄想・幻覚を伴う場合(精神病性躁)
・「自分は特別な使命を持っている」「神に選ばれた」などの誇大妄想
・被害妄想や幻聴が加わるケースもあり、統合失調症に似ることも

⑤ 社会・仕事への影響
・職場でのトラブルや退職
・対人関係の破綻(家族・友人との衝突)
・経済的損失、法的トラブル(借金・契約トラブルなど)

【重度の鬱状態(大うつ病エピソード)】

鬱状態の重症期は、命に関わるリスクが高く、早急な医療介入が必要です。

主な重症症状:
① 強い絶望感・無価値感
・「生きている意味がない」「自分は何の役にも立たない」と感じる
・極端な自己否定・罪悪感

② 思考・行動の停止
・思考が遅くなり、簡単な判断もできない
・会話が極端に減る、返答が遅い
・食事・入浴・着替えなど、基本的な生活行動ができなくなる

③ 身体的な症状の強化
・極度の倦怠感、体が重い
・食欲の極端な低下または過食
・不眠または過眠(昼夜逆転)
・体温・血圧の変動、消化不良、頭痛、動悸など

④ 希死念慮(死にたい気持ち)
・「消えてしまいたい」「眠ったまま起きなければいいのに」などの発言
・実際に自殺の計画・準備・実行に至る場合も

⑤ 精神病性鬱(重症例)
・「自分は罪を犯した」「罰を受けるべき」などの妄想
・幻聴(「お前はダメだ」と責める声)
・現実感の喪失や昏迷状態(ほとんど動かない、反応しない)

 

 

【重症躁鬱の特徴】

特徴 内容
病相の持続 数週間〜数か月(入院レベル)
社会的機能の低下 学業・仕事・家庭生活が維持できない
現実検討力の喪失 妄想・幻覚が出る
自傷・他害リスク 自殺企図・暴力・事故
治療抵抗性 薬が効きにくくなることも

 

重症化のサイン(早期対応が重要)
・睡眠が極端に減っても元気(躁の予兆)
・一気にテンションが上がったり、急に沈む
・金銭・SNS・買い物・性的行動が荒くなる
・「何も感じない」「もうどうでもいい」発言
・薬の自己中断や通院の拒否

こうした変化があるときは、家族や本人が早期に精神科・心療内科に相談することがとても重要です。

 

最後に

重症の躁鬱は「意志の問題」ではなく、
脳の神経伝達物質(セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリンなど)の乱れと
自律神経・ホルモンバランスの崩れが深く関係しています。

適切な治療とサポートを続ければ、多くの人が安定した生活に戻ることができます。


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