躁鬱がなかなか治らないままの状態が続くと、ご本人だけでなく周囲が抱える負担も大きくなり、どうかするとご家族まで心の病を発症してしまうこともあるかもしれません。
ただ、躁鬱の改善にはじっくり取り組む必要があり、わずか数ヶ月の治療期間で治らないと悲観的になる必要はないと思います。
他の身体的な疾患の場合は、レントゲン検査や血液検査など、画像や数値で改善状況がある程度わかるため、簡単な治療で治る疾患なのか、それとも重症でなかなか治らない疾患なのか、患者さんやそのご家族も理解しやすく、腰を据えて治療を続けることも我慢できるものです。
ただ、躁鬱の場合は、すぐには治らないといった判断も、医師の説明に頼るところが大きいものです。
躁鬱のために精神科に通院しているのに治らない、薬を飲んでいるのに治らないといった、焦る気持ちで転院を希望して相談に来られる方もいらっしゃいます。
ところが、よく話を聞いてみると通院して1ヶ月ほどしか経過していないとか、薬の服用もまだ短期間だというケースも多く、おそらく医師とのコミュニーケーションが十分とは言えないのかもしれません。
また、躁鬱は、状態がいつも同じとは限らず、落ち着いた日が続いたために薬の服用を中断して、悪化させてしまう場合もあるようです。
中には、薬を飲むということは薬に頼っていることであり、薬を飲んでいるうちは治らないと、勝手に思い込んでいる方もいるようです。
躁鬱に限らず、どんな病気でも適切な診断に基づいて出された薬はきちんと服用しなければ、治る病気も治らないままになってしまうことがあります。
さらに、躁鬱が治らない患者さんが、鬱病と診断されていたために治らない状況が続いているケースもあるようです。
躁鬱の症状の出方には波があるため、いつも一緒にいるご家族でさえ躁鬱に気付かないこともありますので、もし、心の病が治らないことで不安をお持ちであれば、川西市にあるこころと不眠の診療所こばやしクリニックに一度ご相談下さい。
躁うつ病の患者さんが日頃から気をつけるべき10のこと
1. 規則正しい生活リズムを守る
・特に「睡眠時間の安定」が非常に重要
・睡眠不足は躁転の引き金に、過眠はうつ状態の悪化につながりやすい
・決まった時間に起きて、決まった時間に寝る(休日も同様)
2. 気分の記録(ムードログ)をつける
・毎日の気分や体調、睡眠時間、出来事などを記録
・「躁うつの波の兆候」を早期にキャッチできる
→ アプリ(例:こころ日記やDaylioなど)も便利です
3. 薬は自己判断で減らさない・やめない
・「元気になったから薬をやめる」はとても危険(再発率が高い)
・躁状態に入りかけると「治ったような気」がしてしまうことも多い
→ 必ず医師と相談して調整
4. 過度な刺激・ストレスを避ける
・強いストレス、過労、大きな環境変化などは再発要因
・人間関係や仕事の無理なスケジュールは避ける
→ バランスの取れた生活を第一に
5. アルコール・カフェイン・薬物は控える
・アルコールは感情の波を増幅させる
・カフェインの過剰摂取も睡眠や神経に悪影響
→ お酒やタバコ、サプリも主治医に報告
6. 自分を責めすぎない・完璧を求めない
・「なんでこんな気分になるの?」と自分を責めるのは逆効果
→ 「今日はこういう日なんだ」と受け止めて、ゆっくり対処
・無理せず、心身のSOSに耳を傾けること
7. 信頼できる人や支援先とつながっておく
・家族、友人、支援者などに「再発時のサイン」や「困ったときの対応」を共有しておく
・単独で抱え込まない
→ 地域の保健センター・精神保健福祉センターも頼ってOK
8. SNSや深夜の活動には注意
・躁状態ではSNS投稿や買い物、衝動的行動が増えることも
→ 夜間のスマホ使用は控えめに
・何かを「急にやりたくなったら、一晩おいて考える」
9. バランスのとれた食事を心がける
・栄養不足・偏食は気分の波にも影響する
・ビタミンB群、オメガ3脂肪酸などがメンタル安定に有効との報告も
10. 再発予防のために「通院を続ける」
・良くなっていると感じても、予防的な治療は継続が必要
・再発防止の観点では「症状が出ない=治った」ではなく、「波が出ない=安定」











