早朝覚醒は睡眠障害の1つでもあり、治療が必要なケースもあります。たとえば、それが原因で昼間にウトウトしてしまったり、疲労感が強いなど日中の行動に影響が出るようであれば、専門医の診断を受けて適切な早朝覚醒の治し方のアドバイスを受けていただければと思います。
ただ、たとえ朝早く目が覚めてしまうと言っても、睡眠障害といった自覚はなく、自分でできる早朝覚醒の治し方を実践しているに過ぎないという方も多いようです。
たとえば、昼間は適度な運動を心がけたり、食事やアルコール摂取の量や時間を考慮することも早朝覚醒の治し方として心がけている方もいるでしょう。
もちろん、軽度の早朝覚醒であれば、生活習慣の見直しなどいくつかのポイントを押さえた治し方を実践することで改善することも多いと思います。
ところが、場合によってはストレス障害やうつ病などが早朝覚醒に関連しているケースもありますので、実践している治し方が適切かどうかも含めて、心療内科を受診してみてはいかがでしょうか。

うつ病の場合、神経伝達物質のバランスが崩れて感情の障害や思考の障害といったさまざまな精神的なダメージが生じるわけですが、同時に睡眠障害や摂食障害なども現れてきます。
そういった症状が進めば、早朝覚醒の治し方を実践するだけでは追い付かなくなりますので、早めに心療内科をご利用いただければと思います。
もちろん、早朝覚醒は年齢とともに起こりやすくなり、就寝時間が早く熟睡しているという自覚があれば、あまり問題ないかもしれません。
一方、寝つきが悪いのに早朝覚醒してしまうとか、夜中に何度も目が覚めるのに朝早く目が覚めて寝た気がしないといった場合は、睡眠障害の治療が必要かと思われます。
そういった症状がさらに悪化して、体調が崩れたり精神的な負担になることもありますので、適切な早朝覚醒の治し方を知るためにも心療内科の受診をご検討ください。
早朝覚醒チェックシート(自己評価用)
以下の質問に「はい/いいえ」で答えてください。
・起きる予定の2時間以上前に目が覚めてしまうことが週に3回以上ある
・目が覚めた後、もう一度寝ようとしても寝つけない
・早く目が覚めてしまい、日中の活動に支障が出ている(疲労・眠気・集中力低下など)
・夜は比較的スムーズに入眠できている
・日中に眠くてうたた寝をすることが多い
・特に不安やストレスを感じているわけではないのに、早朝に目が覚めてしまう
・気分の落ち込み(うつっぽさ)を感じることがある
・生活習慣(食事、運動、カフェイン、スマホなど)に思い当たる原因はない
結果の目安
・「はい」が3つ以上
→ 早朝覚醒の傾向があります
・「はい」が5つ以上
→ 日常生活に支障を来している可能性が高いため、改善対策や専門相談を検討してください
早朝覚醒の原因として考えられるもの
・加齢による体内時計の変化
・うつ病や不安障害の初期症状
・ストレスや生活リズムの乱れ
・アルコールやカフェインの摂取
・運動不足や夜間の光刺激(スマホなど)
自分でできる対策
・毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きる
・朝日を浴びる
・寝る前のスマホ・TVを控える
・軽い運動やストレッチを日中に行う
・寝る前にリラックスする習慣を作る(読書、音楽など)
気になる症状が続く場合は、心療内科や睡眠外来の受診をおすすめします。
必要であれば、このチェックをPDFでまとめることも可能です。お申し付けください。